労働時間の適正な把握
最近、労働者の労働時間を全く把握・管理していない会社によく遭遇します。
しかし、会社が労働者の労働時間を把握・管理することは、次のとおり義務・責務です。
① 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準を厚生労働省が策定していること。
② 労働基準法108条により賃金台帳を調製しなければならないこと。
③ 労働者の健康確保を図る必要があること。
したがって、会社は、タイムカード等で、労働者の労働時間(始業時刻・終業時刻)を正確に把握・管理する必要があります。
労働者の労働時間を把握・管理していない会社は、他から労働者にサービス残業をさせていると言われると、上記の義務・責務を守っていないため、言い訳することができません。
逆に、労働者の労働時間を把握・管理していない会社に勤務している方は、自ら、毎日の始業時刻・終業時刻を○時○分と正確にメモしておく必要があります。
もし、会社からサービス残業を強いられている場合には、そのメモを使って、会社に未払残業代を請求することになります。
※ なお、賃金は、2年間で時効によって消滅してしまうので(労働基準法115条)、未払残業代等の請求は早めにする必要があります。